アーセナルの暗黒時代!「無冠の8年」ベストイレブンがこれ

現在イングランド・プレミアリーグで久しぶりに優勝争いを繰り広げているアーセナル。近年はようやくトップレベルといえる存在に戻ってきた。

アーセナルは2005年からなんと8シーズンにわたってリーグでもカップ戦でもメジャーな大会で優勝が一度もなく、「無冠の8年」が続いていたということがある。

今回はそんな「無冠の8年」でアーセナルのメンバーとなっていた「暗黒時代ベストイレブン」をご紹介する。

GK:マヌエル・アルムニア

国籍:スペイン

現在:アル・ジャジーラ GKコーチ

イェンス・レーマンももちろんこの候補であるが、アルムニアの方がインパクトは大きかったといえる。

2004年にセルタ・デ・ビーゴから加入したスペイン人GK。ただアルバセテへのローンでそこそこ活躍した直後で、リーガでの実績は皆無に近かったため、当初からかなり懐疑的な目が向けられていた。

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レーマンのバックアップとして数シーズンを過ごしたが、2007-08からついにレギュラーを奪取。不安定なところはあったものの、2009-10シーズンまで多くの試合に出場した。

右SB:バカリ・サニャ

国籍:フランス

現在:指導者、コメンテーター

編み込みヘアーが特徴的だったバカリ・サニャ。右サイドバックでは愛すべきエマニュエル・エブエも候補であるが、全体的には彼のほうがベストだろう。

2007年にフランス・リーグアンのオセールから加入し、初年度からレギュラーとしてプレー。契約満了でマンチェスター・シティに移籍するまで7シーズン所属していた。

なお現在は指導者やコメンテーターとして活動している。

CB:ヨアン・ジュル

国籍:スイス

現在:指導者、解説者

アーセナルの下部組織から昇格してきたスイス人DF。2004年にデビューし、同胞のフィリップ・センデロスとともに最終ラインの一角として起用された。

半年だけバーミンガム・シティに貸し出されたりもしたものの、2005年から2012年まで無冠の時代にずっとアーセナルでプレーし、クラブに大きく貢献した選手であるといえよう。

引退後は俳優になりたいと言っていたが、現在は解説者としてメディアで活躍している一方、指導者としての勉強を進めているという。

CB:ウィリアム・ギャラス

国籍:フランス

現在:解説者

他にもコロ・トゥレやローラン・コシェルニ、トーマス・ヴェルマーレンら候補がいるが、この暗黒時代における印象はギャラスのほうが強い。謎の背番号10にも驚かされた。

チェルシーにアシュリー・コールを売却した際の取引の一部として2006年にアーセナルへと加入し、次年度にはキャプテンマークも渡された。100試合以上に出場するなどレギュラーとしてプレーしたが、2010年には宿敵トッテナムに移籍して大ブーイングを受けた。

2014年にオーストラリアでプレーしたのを最後に現役引退し、現在はコメンテーターとして活躍している。

左SB:ガエル・クリシ

国籍:フランス

現在:セルヴェッテ所属

現在も現役を続けている生き残り選手。2003年に若くしてカンヌからアーセナルへ移籍し、アシュリー・コールのバックアップとしての立場でプレーした。

怪我に苦しむところはあったものの、コール退団後は左サイドバックのファーストチョイスとして長くプレーし、マンチェスター・シティに引き抜かれる2011年までレギュラーを守った。

37歳の現在もスイスリーグのセルヴェッテでプレー中。

DMF:アレックス・ソング

国籍:カメルーン

現在:アルタ・ソーラー7所属

カメルーンの現代表監督を務めるリゴベール・ソングの甥にあたるアレックス・ソング。3歳で父を亡くしたものの、若くしてバスティアのユースで成功を収めて2005年にアーセナルへとやってきた。

アーセナルでは3シーズンにわたってほとんど出番がない状況が続いたものの、2008-09にレギュラーを奪取。新しいパトリック・ヴィエラと言われるほどの中盤での支配力を見せ、2012年にはバルセロナに引き抜かれていった。

なお、35歳の現在はジブチリーグのアルタ・ソーラー7というクラブでプレーしている。

CMF:セスク・ファブレガス

国籍:スペイン

現在:コモ所属

バルセロナの下部組織から2003年にアーセナルへ加入したセスク。なんと16歳でトップチームにデビューし、史上最年少デビュー記録、史上最年少ゴール記録を更新。怪我人が出たことによってレギュラーを獲得し、10代で中心選手に成長した。

2008年には早くもキャプテンを任せられるなど若手をまとめる存在となっていたが、2011年に古巣バルセロナからの誘いに抗うことができず、スペインへと戻っていった。

現在はイタリア2部のコモでプレーしている。

CMF:アブ・ディアビ

国籍:フランス

現在:引退

アレックス・ソングと同じく、新しいパトリック・ヴィエラ候補の1人であったアブ・ディアビ。優れた足技やボールコントロールに加え、190cmを超える身長を持ち、攻守に働けるというスペシャルな才能だった。

オセールから2006年に加入し、すぐさま出番を獲得するようになったものの、残念ながらとにかく彼は怪我が多かった。フランス代表でも重用されながらもプレー可能な時間が短すぎ、才能を開花させるに至らなかった。

右SH:セオ・ウォルコット

国籍:イングランド

現在:サウサンプトン所属

サウサンプトンで育成された快速アタッカー。17歳で2006年のワールドカップメンバーに選ばれるなど大きな話題を集め、その夏にアーセナルへと加入した。まさにマイケル・オーウェンのような存在になると期待されていた。

しかしながら圧倒的なスピードこそ素晴らしかったものの一貫性と得点力が乏しかったことから、なかなかエースにまではなれず。その才能を完全に開花させられず、2017-18シーズンにエヴァートンへ移籍していった。

なお、2020-21シーズンに古巣のサウサンプトンへと復帰している。

左SH:トマーシュ・ロシツキー

国籍:チェコ

現在:スパルタ・プラハ スポーツディレクター

アレクサンデル・フレブも捨てがたいところではあるが、この時期のアーセナルで攻撃的MFといえばやはりロシツキー。ボルシア・ドルトムントから2006年に加入し、「モーツァルト」と呼ばれた鮮やかな技術で多くのチャンスを作り出した。

優雅なプレーからファンからも高い人気を誇ったものの、残念ながら怪我が多かったためにほとんどフルシーズンを戦えなかった。それさえなければ…。

引退後は古巣スパルタ・プラハのアシスタントスポーツディレクターに就任し、2018年にスポーツディレクターに昇格している。

FW:ロビン・ファン・ペルシー

国籍:オランダ

現在:フェイエノールト アシスタントコーチ

このポジションのライバルとしてはニクラス・ベントナーやアンドレイ・アルシャヴィンがいるが、やはり貢献度はロビン・ファン・ペルシーが図抜けている。

小野伸二とともにプレーしたフェイエノールトではワガママなウイングであった彼は、アーセナル加入後にアーセン・ヴェンゲル監督によってストライカーにコンバートされ、得点力を開花させた。2012年にマンチェスター・ユナイテッドへ移籍するまで長くエースとして活躍。

古巣のフェイエノールトで現役引退し、その後指導者に転身。現在はアルネ・スロット監督のアシスタントとしてフェイエノールトのトップチームを担当している。

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