優勝争いにこそ絡んでいないものの、イングランド・プレミアリーグでようやく復調の兆しを見せているマンチェスター・ユナイテッド。
アレックス・ファーガソンが退任してから長らく低迷と迷走を繰り広げてきたものの、今季就任したエリック・テン・ハフ監督の下でようやく安定した成績を残せるようになってきた。
今回は、そんなマンチェスター・ユナイテッドで2022-23シーズンに復調を見せている5名のスターを『Planet Football』からご紹介する。
マーカス・ラッシュフォード
オレ・グンナー・スールシャール監督、そしてラルフ・ラングニック監督の下では移籍が噂されるほどに活躍できなかったラッシュフォード。クリスティアーノ・ロナウドの加入も彼にとってはマイナスであった。
しかしながら今季はシーズン序盤で次々とゴールを決め、ワールドカップのイングランド代表にも選出。2023年に入っても素晴らしいクオリティを見せている。
印象的なのはウォルヴァーハンプトン戦だ。遅刻でベンチに降格させられたが、ふてくされることなく途中出場からゴールを決めた。間違いなく今季フィジカルもメンタルも高まっている。
ラファエル・ヴァラン
レアル・マドリーから加入してから十分な成績は収めているものの、いくつかの負傷によって調子が乱高下し、パートナーも安定せず、失点を減らせず、そしてチームも上位に付けられなかった。
しかし今季はリサンドロ・マルティネスというパートナーを得て大きく改善を見せており、ワールドカップを終えてフランス代表から離れたこともあって体調面でもプラスになっているようだ。ベテランと言える経験を持つがまだ20代。ユナイテッドの主力として長く活躍してくれるはずだ。
ダビド・デ・ヘア
この数年間常に批判を受けてきたデ・ヘア。現代的なサッカーに合わないと言われてきたが、エリック・テン・ハフ監督は「私にとってゴールキーパーとは、まず守って失点しないこと。その点彼は素晴らしい。そして足元も能力がある。試合ごとに進歩しているし、ビルドアップはフィールドプレーヤーのポジションも影響する」とウェストハム戦後に語った。
今季チームとともに大きな成長を見せたデ・ヘアは、何度も勝利をもたらすようなセービングを見せている。契約は今季で満了を迎えるが、おそらく延長のオプションが行使されることになるだろう。
ディオゴ・ダロ
昨年11月にオレ・グンナー・スールシャール監督が退任したあと、マンチェスター・ユナイテッドの右サイドバックとして重要な存在となっているディオゴ・ダロ。W杯前の17試合全てで先発している。
さらにエリック・テン・ハフ監督の就任以降は課題でもあった守備面でも改善を見せており、豊かな攻撃力とスピードによってコンスタントに活躍できる選手に成長した。ワン・ビサカもいいライバルとなっており切磋琢磨しているようだ。
ルーク・ショウ
2020-21シーズンには素晴らしいパフォーマンスを見せていたルーク・ショウ。その後のEURO2020でも見事なプレーがあったが、昨季は疲れからか低調であった。そして昨年夏にタイレル・マラシアが加入した際には「おそらく彼はポジションを失う」とも予想された。
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しかし彼は信頼を取り戻すために懸命な働きを見せており、スタメンを勝ち取ったほか、時にはセンターバックでもプレーした。クラブの公式メディアにも「テン・ハフ監督のやり方に感銘を受けているよ。その構造、ボールを持っているときと持っていないときのプレー方法。とても印象的だった」と語っており、そのシステムがかなり合っているようだ。