シベリア抑留や引き揚げの新たな語り部に16人 京都・舞鶴、大半が中高生

舞鶴引揚記念館の展示資料の説明を実習する中学生ら(舞鶴市平)

 シベリア抑留や引き揚げの「語り部」養成講座の閉講式が2月下旬、京都府舞鶴市平の舞鶴引揚記念館であり、平和につながる史実継承に向け、地元の中高生を含む16人が修了した。

 同館では修了生らでつくる「舞鶴・引揚語りの会」が展示説明にあたる。今回の講座は12月から始まり、市内や綾部市などの13~83歳が学び、中高生が12人を占めた。

 この日、受講生は極寒の中で強制労働を強いられた抑留体験を再現した展示のほか、抑留者が現地で作った食器の説明を実習したほか、語り部の先輩から平和の大切さを伝える活動のコツを学んだ。

 修了証書を受け取った東舞鶴高1年藤田康輔さん(16)は、シベリア抑留を舞台にした映画「ラーゲリより愛を込めて」を見て受講したといい、「抑留を伝える古里を誇りに思った。館の展示にはつらくなるほど悲しいものもあり、戦争はだめということを肌身で感じられる。同世代に伝えていくことをしていきたい」と話した。

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