文部科学大臣賞 吉原さん(青雲中2年) 平和への祈り色彩豊かに 世界児童画展

表彰状を手に笑顔を見せる吉原さん=長崎市岩屋町

 青雲中2年、吉原立夏(りか)さん(13)=長崎市=の水彩画「8月9日雨の下での祈り」が「世界児童画展」(美育文化協会主催)で、最高賞の総理大臣賞に次ぐ文部科学大臣賞を受賞した。同賞の5人のうち中学生は1人。爆心地公園のそばで傘を差しながら平和を祈る自身と、雨の中の光の輝きを色彩豊かに表現。吉原さんは「きれいな景色。平和だからこそ見られる景色なのだと感じてほしい」と話した。
 同展は、感性豊かな子どもの成長を目指し1970年に始まり53回目。対象は3~15歳。今回は国内から4万302点と30の国・地域から3万6981点の応募があった。
 「雨の夜の様子で、光のきれいな場所を描きたい」と、小学生の時から通う同市の絵画教室アトリエ・ポポロの代表、西本誠さんに相談。カメラを手に爆心地公園付近で作品の構図を一緒に探した。
 受賞作は、吉原さんが平和を祈っている姿を撮影した写真を基に、約3カ月かけて制作した。応募前は週3~4回教室に通い、街灯が地面に反射した光を丁寧に表現。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、長崎に住んでいるからこそ伝えられるものがあるはずだという思いを込めて描いた。
 西本さんは「色彩は天才的。プロでもまねできない独自の感覚を持っている」と評価。吉原さんは、今後絵の仕事に就くか、趣味で描くか決めかねているとしながらも「一生描き続けたい」と笑顔で話した。

吉原さんの作品「8月9日雨の下での祈り」(美育文化協会提供)

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