被爆直後の建造物「AR」を使い公開 画像など、実相学ぶ

スマートフォン上に表示される被爆当時の爆心地周辺画像と現在の爆心地=長崎市松山町、爆心地公園

 長崎市は、爆心地と山王神社二の鳥居で、拡張現実(AR)を使い被爆建造物など当時の様子を公開した。遺跡の説明板に書かれているQRコードを読み込むと、画像などを見ることができる。
 長崎原爆遺跡を訪れる人に被爆の実相を深めてもらう狙い。山王神社二の鳥居では、スマートフォンにカーソルが表示され、実物に重ね合わせると、被爆直後の現地をイメージしたアニメーションが流れる。
 爆心地では、360度パノラマの画像で、現在の光景と被爆後の荒廃した姿を同時に見ることができる。さらにスマホの方角を調整すると「平和公園・松山町防空壕(ごう)群」と「旧城山国民学校校舎」のアイコンが表示され、関連サイトに移動できる。
 同市被爆継承課は「原爆は究極の破壊兵器。爆心地に至っては何も残らない。想像を絶する光景が核兵器によってもたらされたのを感じ取ってもらえれば」と利用を呼びかけている。

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