京都・美山に登場、牛バイク顔出しパネル大人気 作画の女性「写真撮って」

顔出しパネルの絵を手掛けた赤坂さん。「美山の思い出にしてもらえたら」と話す(南丹市美山町・道の駅「美山ふれあい広場」)

 京都府南丹市美山町の道の駅「美山ふれあい広場」に3月末、「牛バイク顔出しパネル」が置かれた。かやぶき家屋や、特産の「美山牛乳」、牛など、美山らしい事物をカラフルなタッチで描いたパネル作品。本物のバイクパーツも使ったパネルで、バイク愛好家らが「我も我も」と撮影している。作画を担当した赤坂侑花さん(28)は「写真を撮って、思い出に残ればうれしい」と語る。

 赤坂さんは京都市右京区京北出身。昔から絵が好きだった。「人前で自分を表現するのは苦手。言葉で伝えられない部分を表現できる」のが絵の魅力という。京都精華大で洋画を学んだ。「子ども時代のカラフルな楽しい世界観」を表現した画風で、インスタグラム(akasakayuka20)で作品を公開している他、東山区のギャラリーで個展を開催。今年も6月に予定する。

 2017年に美山ふるさと株式会社に入社した。現在は、道の駅の代名詞的存在であるジェラートなどのスイーツ製造に携わる。

 約8年前から置かれていた旧パネルが老朽化したことから、腕を見込まれ、新パネルでは作画を担った。縦2.1メートル、横1.4メートルのパネルに水性ペンキで、かやぶき家屋や赤い丸ポスト、美山牛乳、うり坊、シカ、タンポポなどを描いた。「自然豊かな美山のさわやかな春の雰囲気を出せた」とうなずく。

 三つ編みをなびかせた白バイ隊員の顔と手の部分に穴が空いており、パネルにはまると、バイクにまたがっているような写真を撮れる。日本の原風景と称される景色をバイクで楽しむ人が多いが、時折死傷事故が発生しているため、牛の鳴き声と引っかけた「SLOWモー」という言葉で交通安全も呼び掛けた。

 「楽しく描けた。遠い美山にわざわざ来てくれた人にとって、写真がひとつの思い出になればうれしい。海外の人にもぜひ見てほしい」と願っている。

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