ダイヤモンド・プリンセス寄港 茨城港 豪華客船、4年ぶり 誘致再開へ弾み

県産品などを手に取る国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船客ら=ひたちなか市の茨城港常陸那珂港区

米国籍の大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(乗客定員2707人)が21日、茨城県ひたちなか市の茨城港常陸那珂港区に寄港した。国内外を周遊する豪華客船の県内受け入れは4年ぶり。新型コロナウイルスの影響で相次ぎ中止を余儀なくされていたが、本格的な受け入れ再開を迎え、県は誘致を加速させる。

同船は20日に横浜港を出港し、茨城や岩手、青森などに加え、韓国・釜山などを計10日間で巡る。国内外の利用客約2千人が、茨城では偕楽園(水戸市)や国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)などのツアーを楽しんだ。

この日午前7時、同港区に入港すると、地元の「やんさ太鼓保存会」が迫力ある演奏を披露して歓迎。埠頭(ふとう)では県産品や県内観光地などをPRするブースが並んだほか、書道体験などで乗船客をもてなした。

60歳の誕生祝いのため、家族6人で参加したオーストラリアのダニエル・リエンドさん(59)は「日本は初めて。これからさまざまな観光を楽しみたい」と笑顔を見せた。

歓迎式典で大井川和彦知事は、約3年前にコロナの影響で寄港が直前で中止となったことから、「ようやく迎えることができた。(国際クルーズ船)誘致の本格化へ弾みとなる」と期待。国際線が再開した茨城空港に触れ、「さまざまなチャンネルでインバウンドを伸ばす」と意欲を見せた。

同船を運航するカーニバル・ジャパン(東京)の堀川悟社長は「茨城は港湾周辺の自然や歴史的資源が多く、観光地としてのポテンシャルは高い。今後も寄港したい」と話した。同船は午後5時に出港した。

県は17年度から国際クルーズ船の誘致を本格化し、19年4月に初となる米国の「セブンシーズマリナー」が同港区に寄港。その後も複数の寄港が決まっていたが、20年2月のダイヤモンド・プリンセスでの新型コロナの集団感染を機に全て中止となっていた。

昨年11月、政府が国際クルーズ船の受け入れ再開を発表。茨城県では5月6日に同港区へ「セブンシーズエクスプローラー」が、10月28日に大洗港区へ「オーシャニア・レガッタ」が寄港する予定。

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