物価高に「今はとにかく踏ん張って」 41年ぶりの上げ幅にもサービス“あの手この手”

物価高の波が止まりません。4月21日発表された消費者物価指数を見ると、2022年度は物価が3%も上昇していたことが明らかになりました。上げ幅はなんと41年ぶりの水準に。歴史的な物価高に負けじと静岡県内のお店も努力を続けています。

静岡市駿河区にあるテイクアウト専門の唐揚げ店では、2022年7月、商品の値上げに踏み切りました。

<元祖からあげ本舗 とり若丸 静岡駿河店 髙塚光明オーナー>

「いろいろなことを企業努力で取り組んだが、なかなかカバーできない状況」

値上げの理由は原材料高。鶏肉と油がコロナ前に比べ2倍に値上がり、大きなダメージを受けているといいます。

21日、総務省が発表した消費者物価指数では、2022年度は前の年度に比べ3.0%も上昇。1981年の第2次オイルショック以来、41年ぶりの大幅な上げ幅となりました。

統計を見ると、からあげは全国平均で9.4%の値上げに。こちらのお店では客離れを防ぐため、別のサービスに踏み切りました。

<元祖からあげ本舗 とり若丸 静岡駿河店 髙塚光明オーナー>

「値上げする前は(ご飯の量を)特盛=400gまで無料でやっていたが、メガ盛り=500gまで、昨年の夏以降無料にした」

コメは比較的価格が安定しているため、弁当の大盛りサービスの幅を広げることによって、お得感を打ち出そうという戦略です。

<元祖からあげ本舗 とり若丸 静岡駿河店 髙塚光明オーナー>

「今はとにかく踏ん張って(今後は)値上げせずにやっていきたい」

一方で、値上げを避けるお店も。静岡市葵区にあるこちらのベーカリーでは、ここ数年、小麦粉の高騰に悩んでいます。

<TROTIX 小林義則店主>

「小麦粉が値上がりするのは、パンの材料の中でも一番多くウエイトを占めているので、その材料が上がるというのは経営的にも厳しい部分がある」

2年ほど前に比べて小麦価格は15%の上昇。卵や野菜などいろいろな食材が値上がりしています。

総務省の調査では食パンは22年度11.4%値上がりしていますが、なんと、こちらのお店では22年度、値上げをせずに踏ん張ったと話します。

<TROTIX 小林義則店主>

「お客さまの人数を増やすことによって、今の厳しいところを乗り越えていけたらと思う」

いろいろな商品が値上がりする中で、値上げをしないことで多くの客を集める「薄利多売」方式で売り上げを確保したい考えです。

終わりの見えない物価高にお店の努力はしばらく続きそうです。

© 静岡放送株式会社