茨城県内6市町村長選23日投票 茨城町議補選 15議員選も

統一地方選の後半戦は23日、投開票される。県内では水戸、日立、取手の3市長選と茨城、五霞、美浦の3町村長選がいずれも一騎打ちとなり、舌戦を展開している。併せて12市議選と3町村議選、茨城町議補選(欠員1)も行われる。

■水戸市

水戸市長選は、ともに無所属で、新人の大内久美子氏(73)=共産推薦=と、4選を目指す現職の高橋靖氏(57)が子育て支援策、中心市街地の活性化策などを巡り、舌戦を展開している。2015年と同じ顔触れ。

大内氏は「税金は暮らしや福祉、教育に優先して使う」として、大型公共事業の中止や子育て支援の強化を主張。新市民会館の運営見直し、小学校の給食費無償化、東海第2原発の再稼働反対も訴えている。

高橋氏は、保育所の定員倍増など3期12年の実績を強調。人口減少の中、子育て支援、給食費無償化や医療費助成の拡大、老朽化した校舎の改修推進などを掲げ、「選ばれる市に成長させる」と訴える。

投票は午後7時まで、市内75カ所で行われ、同8時から市緑町のアダストリアみとアリーナで開票される。大勢判明は同9時半ごろの見通し。有権者は22万5994人(15日現在)。

■水戸市長選立候補者(届け出順)
大内久美子(おおうちくみこ) 73 無新
【略歴】共産党県委員会副委員長[元]県議当選5回、市議当選5回。茨城大養護教諭養成所卒。堀町 [共]

高橋靖(たかはしやすし) 57 無現(3)
【略歴】市長[元]県議当選2回、市議当選3回。明治大大学院修了。塩崎町

■日立市

24年ぶりとなった日立市長選は、ともに無所属で、3選を目指す現職の小川春樹氏(75)と、新人で電気工事会社社長の田村弘氏(51)が少子化対策や地域活性化策などを巡り、論戦を繰り広げている。

小川氏は、2期8年の実績を強調。人口減少対策や安全安心のまちづくりなど市政の継続を訴える。政党や労組など約80団体から推薦を受け、後援会を中心に市全域で票固めを図る。

田村氏は、県や市が進めるパンダ誘致に反対。「変える、守る」をスローガンに世代交代を訴え、現職批判票の取り込みを狙う。街宣車を自ら運転し、駅前などで街頭演説を重ねる。

投票は午後6時まで、市内66カ所で行われ、同7時半から同市東成沢町の市池の川さくらアリーナで開票される。大勢判明は同9時ごろの見通し。有権者は14万7525人(15日現在)。

■日立市長選立候補者(届け出順)
小川春樹(おがわはるき) 75 無現(2)
【略歴】市長、市スポーツ協会会長、市社会福祉事業団理事長、日本水道協会県支部長[元]副市長。日立一高卒。多賀町 [自][公][国]

田村弘(たむらひろし) 51 無新
【略歴】常陸放送設備代表取締役[元]FMひたち代表理事、日立電線社員、茨城高専非常勤講師。一関工業高専卒。東京都足立区

■取手市

取手市長選は、ともに無所属新人で、元県議の中村修氏(61)=自民、国民推薦=と、元市議の小池悦子氏(47)=共産推薦=が中心市街地の再開発や少子高齢化対策などを訴えている。

中村氏は取手駅西口再開発や桑原地区整備の重要性を強調。「取手の限りない可能性と魅力を引き出す」と呼びかけている。

小池氏は学校給食費の完全無料化に向け、まずは半額の実現などを公約に「暮らし優先の市政に」と支持拡大を訴えている。

投票は午後6時まで、市内54カ所で行われ、同7時から同市寺田の取手勤労青少年体育センターで開票される。大勢判明は同8時半ごろの見通し。有権者は9万1112人(15日現在)。

■取手市長選立候補者(届け出順)
中村修(なかむらおさむ) 61 無新
【略歴】中家建材店代表、市スポーツ協会長[元]県議当選4回、市議当選3回。藤代高卒。東[自][国]

小池悦子(こいけえつこ) 47 無新
【略歴】共産党取手市委員会委員[元]市議当選3回、茨城民医連あおぞら診療所事務。聖徳大卒。寺田[共]

■茨城町

茨城町長選は、ともに無所属で、5選を目指す現職の小林宣夫氏(75)と、新人で元町議の高橋良雄氏(74)が16年ぶりの選挙戦を展開している。

小林氏は、農工業の振興や教育の充実、文化的施設の整備を掲げている。

高橋氏は、涸沼を活用した町づくり、将来的な水戸市との合併を訴えている。

町議補選(欠員1)は元新3人が争う。

投票は午後6時まで、町内24カ所で行われ、同7時半から同町小堤の町立中央公民館大ホールで開票される。大勢判明は同9時ごろの見通し。有権者は2万6454人(17日現在)。

■茨城町長選立候補者(届け出順)
小林宣夫(こばやしのりお) 75 無現(4)
【略歴】町長、茨城地方広域環境事務組合管理者、県町村会副会長、町社会福祉協議会長[元]町収入役、町教育次長。水戸商高卒。小幡

高橋良雄(たかはしよしお) 74 無新
【略歴】コウリョウ社長、茨城町商工会理事[元]町議会副議長、町議当選4回。水戸工高卒。長岡

■五霞町

五霞町長選は、ともに無所属新人で、元町議の板橋英治氏(45)と、元埼玉県部長の知久清志氏(63)=自民推薦=が現町政の刷新か継承かを巡り、舌戦を展開している。

板橋氏は前回に続き立候補。商業施設の誘致や子育て支援の充実、公共交通網充実などを訴えている。

知久氏は現町長の後継として人口減や少子化対策、高齢者福祉の充実などを掲げ、支持を呼びかける。

投票は午後6時まで、町内5カ所で行われ、同7時から同町小福田の町中央公民館で開票される。大勢判明は同9時ごろの見通し。有権者は6979人(17日現在)。

■五霞町長選立候補者(届け出順)
板橋英治(いたばしひではる) 45 無新
【略歴】介護福祉士[元]町議会副議長、町議当選2回、川妻行政区区長。明治大大学院修了。川妻

知久清志(ちくきよし) 63 無新
【略歴】[元]埼玉県福祉部長、一般社団法人埼玉県医師会事務局長。立教大卒。元栗橋[自]

■美浦村

美浦村長選は、無所属新人で元村職員の葉梨徹氏(52)と、5選を目指す無所属現職の中島栄氏(75)が村政の刷新か継続かを巡り、論戦を繰り広げている。

葉梨氏は村政転換の必要性を掲げ、村の魅力発信強化などを訴えている。

中島氏は4期16年の実績を強調。3小学校統合など教育環境の整備を訴える。

投票は午後6時まで、村内8カ所で行われ、同7時半から同村受領の中央公民館で開票される。大勢判明は同9時ごろの見通し。有権者は1万2455人(17日現在)。

■美浦村長選立候補者(届け出順)
葉梨徹(はなしとおる) 52 無新
【略歴】自民党県連青年局[元]村職員、木原小PTA会長、美浦中PTA会長。土浦三高卒。木原

中島栄(なかじまさかえ)75 無現(4)
【略歴】村長、村社会福祉協議会会長[元]村議当選2回。土浦工高卒。舟子

年齢は投票日現在。カッコ数字は当選回数。略歴は、現職、元経歴、学歴、現住所。末尾の[内は推薦・支持政党

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