統一地方選 茨城県内 有権者に支持訴え 「最後のお願い」

候補者の訴えに耳を傾ける有権者ら=日立市内

■候補者 子育てや地域振興
茨城県内の統一地方選後半戦は22日、6市町村長選と15市町村議選のほか、茨城町議補選(欠員1)が選挙戦最終日となり、候補者は各地で「最後の訴え」を繰り広げた。水戸、日立、取手の3市長選では、街頭に立った候補者が子育てや地域振興などそれぞれの政策をアピール。熱のこもった演説で有権者に支持を訴えた。

■水戸市 市街地の活性化を
水戸市長選はこの日、ともに無所属の現新2人の候補者が県都を駆け巡り、市街地の活性化や子育て支援策など、各政策を訴えて声をからした。

新人の大内久美子氏(73)=共産推薦=は、選挙カーで市内各地を巡り、午後は商業施設前で街頭に立った。応援に駆け付けた市議候補者らと選挙カーで演説し、買い物客や親子連れに支持を求めた。

新市民会館と京成百貨店を結ぶ上空通路については、充当した6億3千万円で「小学校給食費を無料にできる」と主張。「マンションやビルに使う市の再開発計画は許せない」と声を張り上げた。

4選を目指す現職の高橋靖氏(57)は、中心市街地や郊外へ。農産物直売店では、集まった市民と握手を交わし、茨城県選出国会議員や県議と共に支持を呼びかけた。

中学生の給食費無償化や、妊産婦応援金の支給開始などの施策を始めたと説明。「子育て世代にとってはまだまだ当たり前。今後は小学生の給食費、保育料無償化へと歩みを進めたい」と、人口減少からの脱却を図る考えを強調した。

■日立市 24年ぶり、精力的に
24年ぶりとなった日立市長選では、現新2人の候補者が、南北に細長い市域をそれぞれ縦断した。

3選を目指す現職の小川春樹氏(75)=自民、公明、国民推薦=は、鵜の岬から久慈浜まで市内各所を精力的に巡った。JR日立駅前での演説には国会議員や県議も駆け付け、同駅前商業施設のリニューアルにめどを付けた実績を強調。人口減少対策や中小企業支援などを掲げ「次の4年も粉骨砕身、無我夢中で頑張る」と声をからした。

新人で電気工事会社社長の田村弘氏(51)は午前中、「市議選の候補者も少ない地域」として山間部の中里地区をくまなく回った。夕方には同駅前で演説し、パンダ誘致の見直しなどを主張。「次世代への贈り物を創造することが一番大事」と将来への投資に重点を置き、子育て環境の充実や職業体験ができる公園整備などを訴えた。

■取手市 2新人、政策を競う
取手市長選に立候補した新人2人は、最後まで舌戦を繰り広げた。商業施設や団地の前など、候補者は市内各地でマイクを握りしめ、自身の政策を訴えた。

元県議の中村修氏(61)=自民、国民推薦=は、県議や市議の経験、国や県とのパイプ役としての実績を強調。県議、市議のほか、国会議員が駆け付けた。中村氏は、取手駅西口再開発や桑原地区整備に意欲を示し「大きな可能性を秘める取手を前に進めていく」と訴えた。

元市議の小池悦子氏(47)=共産推薦=は、これまで訴えてきた「暮らしと健康が最優先」をアピール。学校給食費無料化に向け、まずは半額負担の実現、誰もが相談できる市役所のワンストップ窓口新設などの公約を訴え、「市民一人一人の声が届く市政へ変えていきましょう」と呼びかけた。

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