勝ったのはフィールド最強選手 ハーバートは日欧タイトルを闘病中の母にも捧ぐ

ルーカス・ハーバートが日本で初勝利を挙げた(撮影/奥田泰也)

◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 最終日(23日)◇PGM石岡GC(茨城)◇7039yd(パー70)

51年の歴史を持つ欧州ツアー(DPワールドツアー)で、日本初開催の大会は“最も強い男”が勝った。ルーカス・ハーバート(オーストラリア)は両ツアーから出場した144人のうち、大会前の世界ランキングはフィールド最高の59位。実力を見せつけた。

最終ラウンドは地元茨城の声援を受けた星野陸也との2サムで「67」をマークし、通算15アンダー。首位で並んだアーロン・コッカーリル(カナダ)とのプレーオフ2ホール目、1Wショットが右に流れた。ピンチに思われた球はカート道での救済を受けて一転、「SWのフルショットでちょうど良い距離になった」。ベアグランドからスピンの効いた球でピン手前4mをとらえ、2021年「アイルランドオープン」以来の欧州ツアー3勝目を呼び込むバーディに繋げた。

プレーオフ2ホール目でベアグラウンドからチャンスに(撮影/奥田泰也)

同年「バミューダ選手権」での優勝をきっかけに、現在はPGAツアーを主戦場にしている。日本ではアマチュア時代から「日本オープン」などへの参戦経験があり、世界を股にかけてきた。大会スポンサーのISPSとはことし契約したばかり。「日本でプレーするのは慣れているつもり。コースも食べ物も、街並みも素晴らしい」と胸を張った。

同じオーストラリア勢のアダム・スコット、ジェイソン・デイを幼い頃から敬愛してきた。「もちろんタイガー・ウッズもそう。米国でプレーしているから。ロリー・マキロイが今のポジションに行きつく前にはアマチュアで一緒に回ったこともある」と超一流への道を一歩ずつ進んでいる。

「(5月の)メジャー、全米プロで勝てたら最高だね」と目論むステップアップ。思いは母国の家族にも向けられている。母メレディスさんが昨年、乳がんと診断された。「抗がん剤を投与して、闘病している。母にもタイトルを捧げたい」。27歳はさらなる飛躍を誓った。(茨城県小美玉市/桂川洋一)

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