4年ぶり「栗石返し」 日光東照宮など境内きれいに

4年ぶりに行われた栗石返し

 【日光】山内の世界遺産日光東照宮と日光山輪王寺大猷院(たいゆういん)で23日、約380年続く清掃作業「栗石返し」が4年ぶりに行われた。門前町の市民、子どもから大人まで約3千人が参加し、4年分のごみを取り除いた。

 栗石返しは、境内に敷き詰められた「栗石」と呼ばれるこぶし大の玉石を手作業で移動させ、石の間にたまったスギの葉などを取り除く作業。1636年から続くとされるが、新型コロナウイルス禍のため3年連続で中止となっていた。

 この日は気持ちの良い晴れ空。大勢の観光客が行き交い、コロナ禍前のにぎわいを取り戻しつつある中、参加者は自治会単位で割り当てられた担当区域の栗石を丹念にひっくり返した。

 約50年前から参加しているという石屋町、福田隆男(ふくだたかお)さん(73)は「江戸時代からの行事なので開催できて良かった。埋まった石をひっくり返すだけでも景観がだいぶ違う」と満足そうに話した。

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