台湾のジムと連携、国外大会へ選手派遣 宇都宮のクライミングジム「ロッキン」

台湾のクライミングジムと連携し、選手を台湾での大会に招待する荒井さん(前列右から2人目)。左隣は県山岳・スポーツクライミング連盟の北村理事

 【宇都宮】小中学生のクライミング選手に国際経験を積んで競技者としても人間としても成長してほしいと、クライミングジム「ROCKY'N(ロッキン)」(岩原町)の荒井克仁(あらいかつひと)代表(46)は台湾のジムと連携し、8月に選手1人を台湾での大会に派遣する。荒井さんによると「民間のジム同士が連携し国外大会へ選手を送るという話は聞いたことがない」。ロッキンで5月21日、派遣選手を決めるボルダリングの「MAXASIA Japan2023」を開催する。

 荒井さんは「自分は海外経験で変わることができた。子どもたちにも異文化を体験させたい」と、3年ほど前から自由に参加できる国際大会の構想を描いてきた。昨年5月、準備段階として国内大会を開催した。

 この思いに県山岳・スポーツクライミング連盟の北村誠一(きたむらせいいち)理事(56)が賛同。荒井さんが関わった選手の父親が台湾に赴任していたことや、北村さんの山岳仲間が台湾在住だったことなどから、台湾を対象にした。

 今年1月に台湾を訪問して交渉を進め、台中市のジムと合意。5月に再び台湾を訪れて準備を進める。シンガポールなどからも話があり、今後拡大したい意向だ。

 荒井さんは「海外で何かをつかんでほしい」。さらに「地方の小さなジムが海外のジムと連携するという挑戦する姿も見てくれたら」と続けた。

 開催部門は男女別(定員各25人)のユースB(2008、09年生まれ)をはじめ、定員がそれぞれ50人で男女混合の同C(10、11年生まれ)、同D(12、13年生まれ)、同E(14、15年生まれ)。各カテゴリーとも上位6人程度が予選を通過して決勝に進む。渡航費やエントリー費がかからない台湾への派遣選手1人は、入賞者約30人の中から抽選で選ぶ。希望すれば自費で参加もできる。

 エントリー締め切りは5月15日。同ジム公式ホームページの応募フォームから申し込む。荒井さんらは、賛同してくれるスポンサーも募っている。

© 株式会社下野新聞社