水素供給効率化へ新モーター TMEIC、長崎で製造 燃料電池車普及見据え開発

長崎で製造される「耐圧防爆モータ」(TMEIC提供)

 東芝三菱電機産業システム(東京、TMEIC)は次世代エネルギーとして注目されている水素で動く燃料電池車(FCV)の普及を見据え、FCVに連続して水素を充塡(じゅうてん)できる「耐圧防爆モータ」を開発した。製造は長崎事業所(長崎市丸尾町)が担い、5月から販売を開始する。
 従来、FCVに水素を補給する水素ステーションには、温度上昇を抑える構造のモーターを採用し水素爆発を防いでいるが、頻繁に使用できないという課題がある。
 今回開発したモーターは万が一、内部で水素に引火しても外部に爆発の影響が及ばない構造。温度上昇にかかわらず連続使用が可能で、ステーションの供給効率を向上させ対応台数を増やせる。出力は160キロワットまたは185キロワット。
 同社産業第一システム事業部の宮野健介事業部長は「今後もカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)社会実現に向けた技術課題に応える製品をいち早く提供できるように努める」とコメントした。

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