小田原城址公園(神奈川県小田原市城内)で樹齢200年とも伝えられる「御感(ぎょかん)の藤」が見頃を迎えている。薄紫色に彩られた花房が風に揺られ、一足早い初夏の訪れを告げている。
藤は江戸時代に小田原城内で鉢植えされたものが明治維新で城下町に移された。大正天皇が皇太子時代に小田原御用邸を訪れられた際に藤の花に感銘されたことから「御感の藤」と名付けられ、1922(大正11)年に現在の御茶壺橋近くに移植されたという。
現在は約540平方メートルに3本のノダフジがつるを広げている。20日には夏を感じさせる日差しを浴び、藤棚の下では歩き疲れた観光客が腰掛けて涼んでいた。小田原城総合管理事務所によると、4月末までが見頃のピークという。