諫早・小長井 活性化のアイデア発表 地域の未来に若者ら危機感、町づくりを考える

独創的なアイデアを発表する「小長井ナビ」メンバー=諫早市、小長井文化ホール

 人口減少や高齢化が進む長崎県諫早市小長井町で、若い世代の住民が地域の未来を考える会議「小長井ナビ」を立ち上げ、地域活性化の検討を重ねている。21日にアイデア発表会があり、中学生から40代までの4グループが体験学習型ツアーや新たな特産品など六つを提案した。
 同町は2021年施行の新過疎法で、人口減少率と財政力指数が基準に該当し過疎地域に指定された。危機感を持った22人が昨年7月、同ナビを結成。町づくりを考える会議をこれまでに6回開き、財源や規制にとらわれず自由な発想で企画を構想した。
 まとめとして「たくさんの人が集まり、生き生きと躍動する小長井に!」をテーマに、空き家活用やグランピングを楽しむ地域体験・観光ツアー、見守り機能を備えたカフェ、特産品を盛り込んだ駅弁やサンドイッチなど、さまざまな分野で未来の町づくり企画を提案した。
 発表会は同町の小長井文化ホールであり、同メンバーや市、県、JRなどの関係者約40人が参加。同メンバーで市立小長井中3年の谷口苺佳(まいか)さん(15)は、地域交流を含めた体験学習型ツアーで、町内のブルーベリー園で摘んだ果実をジャムに加工し、土産として持ち帰ってもらうアイデアを提案。「(他メンバーの発表も)想像以上に実現できそうな意見がたくさんあり、ワクワクした」と笑顔を見せた。
 鎮西学院大の加藤久雄教授が各企画の魅力や課題などについて講評。メンバーを代表して西崎豊さん(40)があいさつし、「こんなに他の町に負けない熱意を持つ人がいることは町にとってチャンス。小長井町に関わって良かったと思えるような町に皆でしていければ」と期待を寄せた。今後、アイデア実現に向けて検討を重ねていく。

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