災害援護資金の返済が難航 岩手県内、高齢化や多重債務が影響

 東日本大震災の被災者に国などが最大350万円を貸し付ける災害援護資金の返済が難航している。内閣府によると、支払期日を迎えた県内の貸付件数943件のうち、滞納割合は26.8%に上る。高齢化による収入減や多重債務など生活再建が進んでいないケースがあるためだ。岩手弁護士会は、困窮者に対する免除要件を緩和するよう求めている。

 内閣府と県によると2022年12月末現在、県内17市町村で1170件、約30億3200万円が貸し付けられた。滞納は14市町村で253件、総額1億6928万円(21年9月末時点)。

 滞納の割合は、返済が本格化した18年9月末に比べて9.5ポイント上昇した。年金に頼る高齢者が体調を崩したり、仕事の立て直しに時間を要したことなどが背景にあるとみられる。

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