第3戦を前にCoG(重心位置)を微調整。カマロZL1の車体後部に約5kgのバラストを再配置/RSC

 第3戦『ボッシュパワーツール・パース・スーパースプリント』の開催を目前に控え、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップは今月初めにティックフォード・レーシングのキャンベルフィールド本社で9台の異なる車両を測定。2019年にもシーズン中に変更対応を実施していたCoG(車両重心中央/Centre of Gravity)に関し、今季より導入のGen3規定車両でも「微調整を施す」とアナウンスした。

 メルボルンでのF1併催戦も含め、すでに2戦を終えた『シボレー・カマロZL1スーパーカー』と第7世代『フォード・マスタング・スーパーカー』だが、ここまでの戦績やラップペースの分析を経て改めて計測した結果、2台のCoG差はわずか2.3mmで、2019年対比で6%の変化率に留まることに。この第3戦以降、14台のカマロはすべて、マスタングに合わせて重心位置を上げるよう再配分されたCoGで競うこととなった。

 実際にはシリーズが公開したグラフィックにもあるとおり、合計4.97kgのバラストをカマロの後部リヤハッチ内に再分配し、その調整もフューエルコンテナ背後のバーでアジャスト可能に。この変更は2019年にGen2世代のフォード・マスタングでも実施された調整に沿ったもので、各車の全体の最小重量である1335kgには「影響しない」という。

「明確にするために言っておくが、これは『新たな4.97kgの追加』ではない。あくまで車内の既存のバラストを再分配することが狙いだ」と説明するのは、シリーズのモータースポーツ責任者を務めるエイドリアン・バージェス。

「これは決して大きな調整ではなく小さな数字ではあるが、我々シリーズの生命線は『同等性』にある。比較すれば10kgの搭載燃料の方が、今回のCoGに対して行ったばかりの調整よりも(運動性能に与える影響は)はるかに強力だね」

合計4.97kgのバラストをカマロの後部リヤハッチ内に再分配し、その調整もフューエルコンテナ背後のバーでアジャスト可能に
チーム18の2014年王者マーク・ウインターボトムは参戦600戦の記念レースに。僚友スコット・パイは『トヨタ・フォークリフト』カラーに

■第3戦からフロントウインドウスクリーンにLEDパネルが実装

 合計28kgのバラストが動いた2019年の調整を考えれば、重心位置の変化で考慮される影響は「わずか6%程度の1.8kgに満たない」と語ったバージェスだが、その数値と影響は少ないものの、スーパーカーは「チャンピオンシップの技術的な同等の公式を維持することを固く決意している」と繰り返した。

「今回の調査により、現行規定のクルマがすでに非常に接近していることがわかった。ティックフォードでテストを行ったところ、実際のCoGには2.3mmの差しかなかったんだ。2019年にはマスタングのルーフバーに28kgの重量を載せる必要があったが、もし仮に今回も同じ場所にバラストを搭載するとしたら、その量はわずか1.8kgだ」と続けたバージェス。

「これで改めて横一線となり、次のレースを見据えることができる。フロントアクスルの重量がより近くなるため、チームは重量をさらに後ろに置くほうが良いだろうね」

 さらにこの第3戦からは、昨季の『バサースト1000』でGen3のお披露目走行が実施された際にもテストしていた、フロントのウインドウスクリーンに設置するLEDパネルも実装されることに。

 週末に走行する全25台の車両には、フロントウインドウ助手席側のドライバー姓の隣にMoTeC(モーテック)製のLEDパネルが配置される。これはトラック位置を表示するために使用され、消滅したカーナンバー表示のステッカーはサイドとリヤのウインドウに残ることになる。

同じく第3戦から、昨季の『バサースト1000』でGen3のお披露目走行が実施された際にもテストしていたフロントのウインドウスクリーンに設置するLEDパネルも実装されることに
ブラッド・ジョーンズ・レーシングのマコーレー・ジョーンズ車は“ゴールデン”ピザハットの96号車で挑む

© 株式会社三栄