船頭2人の冥福祈る 京都「保津川下り」船転覆事故、発生から1カ月

転覆事故の発生時刻に合わせて黙とうする保津川下りの船頭ら(28日午前11時、京都府亀岡市保津町)

 京都府亀岡市の桂川(保津川)で「保津川下り」の船が転覆し船頭2人が亡くなった事故は28日で1カ月となった。乗船場(同市保津町)に献花台が設けられ、船頭らが発生時刻に合わせて花を手向けて黙とうし、2人の冥福を祈った。

 献花台には、運航元の保津川遊船企業組合の理事や船頭約40人が集まり、午前11時ごろ、手を合わせた。豊田知八代表理事は「長年苦楽を共にしてきた仲間が亡くなり心が痛む。乗客のみなさんには怖い思いをさせてしまい本当に申し訳ない」と話した。

 同組合によると、川に投げ出された荷物を捜索し、これまでに服やワイヤレスイヤホンなど約10点を返却。また再発防止に向け、保津峡での通信状況の調査や、より安全な救命具の選定を進めている。豊田代表理事は再開時期は未定としながらも「これからも誠心誠意対応していく。船頭全員で受け止め、事故を起こさない川下りをつくっていく」と述べた。

 事故は3月28日午前11時ごろ、乗客25人と船頭4人が乗った船が、船尾のかじの操作ミスをきっかけに転覆。船頭の男性2人(51)と(40)=いずれも亀岡市=が死亡、乗客9人がけがをした。

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