GWスタート  長崎県内 雨天も各地に行楽客 「まずまずの滑り出し」

九十九島湾大水槽の魚群に見入る家族連れら=佐世保市鹿子前町、海きらら

 ゴールデンウイーク(GW)初日の29日、長崎県内は雨天となったが、屋内施設を中心に各地でにぎわった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが連休明けに5類へ移行するのを控え、観光地やイベントではマスクを外す人もちらほら。客足も順調で、コロナ禍の“出口”が見えつつある。
 県内最大の陶磁器イベント、波佐見陶器まつりのメイン会場「やきもの公園」(東彼波佐見町井石郷)には窯元や商社の150店が軒を連ねた。テント内は雨宿りする人や、品定めする買い物客で盛況。廣田和樹実行委員長は「雨で客足が鈍るのではと心配だったが、まずまずの滑り出し。遠方からも来ていただきありがたい限り」と話した。期間は5日までで、実行委は昨年よりも3万人多い25万人の来場を見込む。
 福岡から友人と訪れた大学生、鬼塚美桜さん(21)は、マスクを外して会場を見て回り、小鉢やカレー皿などを購入した。「見ていて楽しいし、品のいい器が思ったより安く買えた。午後からは絵付け体験をして一日中、波佐見で過ごしたい」と笑顔を見せた。
 長崎市四杖町のあぐりの丘のあぐりドームは親子連れが詰めかけ、ボルダリング施設や跳躍器具で遊ぶ子どもの声が響いた。同施設によると、当面は事前予約による人数制限と入れ替え制を継続し、GW期間中はすでに予約でいっぱい。友達の家族と親子3人で訪れていた同市樫山町の池角容子さん(44)は「天気が悪くて残念だが、雨でも子どもが遊べるところが近くにできて良かった。GW期間中は陶器市にも行きたい」とノーマスクで走り回る子どもの姿に目を細めた。
 佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)も多くの家族連れが訪れた。GW期間中、昨年より約5千人多い2万4千人の来館者数を目標に掲げ、秋山仁館長は「コロナ禍前の水準に近づいてくれれば」と期待。1日3回のイルカのプログラムが特に人気という。大村市から母親と弟と来た立川功大君(8)は「初めてウミガメを見た。家族でお出かけできて楽しい」と話した。

「あぐりドーム」のボルダリング施設で遊ぶ子どもたち=長崎市、あぐりの丘

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