栃木の「くえるぼキッズ」 児童発達支援センターに 認可受けあす移行

5月1日に児童発達支援センターに移行する「くえるぼキッズ」と栃木さん

 【栃木】今泉町1丁目の児童発達支援事業所「くえるぼキッズ」が5月1日から、地域で中核的に療育支援を行う児童発達支援センターに移行する。事業所を運営する薗部町2丁目の「TTT(トリプルティー)」が市内で初めて、株式会社としては県内で初めて県の設置認可を受ける見通しとなった。他事業所との研修会や保育所への訪問、保護者への相談を行い、地域の療育の質向上を目指す。

 児童発達支援センターは、2012年の改正児童福祉法で規定された療育支援施設。県は全25市町に設置する計画だが、一般的な通所の事業所に比べて人員や設備面のハードルが高く、今月1日現在で5市8施設にとどまっている。

 「くえるぼキッズ」は現在、主に知的障害のある未就学児約90人が通所で利用している。スタッフは10人で保育士や児童指導員のほか、理学療法士や言語聴覚士が計4人常駐しているのが特長だ。

 施設管理者の理学療法士栃木佑太(とちぎゆうた)さん(27)は「医学的な視点からも療育を考えられるので、センターとなって地域の力になれると思った」と話す。

 市内にあった2施設を今月3日、今泉町1丁目の施設に統合移転した。新施設はセンター認可の基準である遊戯室や医務室などを整備し、嘱託医も採用した。今後は他の事業所と連携して研修会を開くなどし、現場の保育士や保健師と交流を深めていくという。

 栃木さんは「センターを拠点に市全体の児童発達支援に関する療育の質のレベルアップに貢献できれば」と意気込みを語った。

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