4月30日、2023年MotoGP第4戦スペインGP Moto2クラスの決勝がスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、野左根航汰の代役として参戦した南本宗一郎（Correos Prepago Yamaha VR46 MasterCamp）は26位でチェッカーを受けた。
レギュラライダーである野左根が、開幕戦ポルトガルGPのP3でクラッシュを喫した際に腰椎を骨折して欠場が続いているため、南本が引き続き代役を務めた。
3戦連続で代役を務める南本だが、ヨーロッパのサーキットを走るのは初めてということもあり、初日には「とても素晴らしく、楽しいサーキットです。パドックも大きくて、とても気に入っています」とヘレスの印象も語っていた。
そんな南本は初日の初走行となったP1では、早い段階で105%タイムをクリアし、後半には1分45秒台でラップを刻んだ。続いてP2ではさらにタイムを縮めることに成功し、自己ベストタイムを1分44秒931に更新した。
「今日の最初のセッションは楽しくて、他のライダーとの差も縮められました。明日のプラクティスでもベストを尽くして、また一歩前進できると確信しています」と初日を振り返った。
2日目はフリー走行の開始早々に1分43秒673を叩き出し、自己ベストを大幅に更新した。そのあとも安定したタイムで周回を重ね、挑んだ予選Q1では2度目のアタックで1分43秒788をマークし、タイム短縮とはならなかったが29番グリッドを獲得した。
「楽しく乗れましたし、セッションごとに向上しています。明日のレースは、アジアで慣れ親しんだ、とても暑いレースになることは間違いないと思います。コースは滑りやすいと思いますが、集団についていって他のライダーと一緒に戦っていくつもりです」と決勝に向けて意気込んだ。
迎えた決勝は気温25度、路面温33度のドライコンディションでスタートし、全29台によって争われた。南本はスタートで26番手にポジションを上げるが、直後に27番手へと後退。序盤に3台が転倒を喫したことにより、25番手を走行していたが、終盤に差し掛かる頃に後方のロレンツォ・ダラ・ポルタ（Pertamina Mandalika SAG Team）に交わされ、ポジションを下げてしまう。
その後は、最後まで前のライダーに食らいついていき26位でチェッカーを受け、3戦連続で完走を果たした。前戦のアメリカズGPでは南本自身、ウイーク通して厳しい結果となったようだが、今大会はその経験を活かして成長した姿とライディングを見せてくれた。
「レースは楽しめましたが、前半はブレーキに問題があり、うまくバイクを止めることができませんでした。最後の10周は良くなり、前よりもハードにプッシュできるようになりました。ダラ・ポルタの後ろにつけて、最終コーナーで抜こうとしたのだが、抜くことができませんでした」とレースを振り返った。
さらに「このような素晴らしい機会を与えてくれたチームとヤマハに感謝したいです。ここで得た経験をすべて、この経験をすべて持ち返り、アジア選手権に活かしたいと思います。いつかレギュラーライダーとしてここに戻ってきたいと思っています」と続けた。
今シーズンはアジアロードレース選手権にフル参戦しており、2週間後には第2戦マレーシアが控えている。そのため、第5戦フランスGPでの代役を務めることはできないが、Moto2代役で学んだ経験を活かしてさらなる躍進を見せ、いつかこの世界の舞台で活躍する姿も見せてくれるだろう。
