足尾まつり 歴史に幕 最盛期の伝統継承40年超 担い手不足、実行委解散 日光

地域の春の風物詩だった「足尾まつり」。写真は2016年のまつり

 【日光】毎年5月3日に行われ足尾銅山最盛期の伝統を継承した「足尾まつり」が幕を閉じたことが1日までに、関係者への取材で分かった。少子高齢化による担い手不足が主な要因で、まつりの実行委員会はすでに解散した。足尾地域の春の風物詩が、40年以上の歴史を終えた。

 まつりは、良質な鉱脈の発見を願って明治時代に始まった「山神祭」が起源。1973年の銅山閉山とともにいったんは途絶えたが、足尾まつりに名称を変え4年後の77年に復活した。

 地区ごとに繰り出す山車やみこしが市街地を練り歩く地域の一大行事だった。2020年は新型コロナウイルス禍の影響で中止となり、以降は開催できていなかった。実行委などの体制維持も難しくなる中、従来と異なる形式での開催も模索されたが実現には至らなかった。

 地元住民らでつくる実行委は22年春に解散した。解散まで実行委の委員長を務めた日光市観光協会理事の奈良部真弓(ならぶまゆみ)さん(65)は「どうにかやれる形を模索してきただけに残念。みこしやおはやしなどは、今後の行事で披露する機会をつくりたい」と話した。

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