五島・鐙瀬ビジターセンターがリニューアル 展示内容を一新 ジオパーク活動の拠点に

リニューアルし、ジオラマや大型スクリーンで五島列島の成り立ちなどを紹介している鐙瀬ビジターセンター=五島市野々切町

 西海国立公園内にある長崎県五島市野々切町の鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンターが4月30日、リニューアルオープンした。展示内容を一新し、映像やジオラマで五島列島の景観や地形、動植物などを分かりやすく紹介。同市は、貴重な地形や地質が残る「日本ジオパーク」に認定されており、観光や教育など活動の拠点施設となる。入館無料。
 鐙瀬ビジターセンターは1995年に県が整備し、その後、五島市に譲渡された。市は2019年から、再整備事業を進めてきた。
 内部を全面改修した博物展示施設(鉄筋コンクリート造り平屋、延べ床面積約418平方メートル)では、五島列島のジオラマに複数の映像を投影。大型スクリーンにも列島の成り立ちを放映するなどして、大陸とつながりのある五島の特徴を学ぶことができる。
 博物展示施設そばには、海や鬼岳の眺望を楽しめる地域交流施設(木造一部鉄筋コンクリート造り平屋、同約160平方メートル)を新設し、体験活動や講座などで活用する。毎週土日は、近くの鐙瀬溶岩海岸の魅力を解説する散策ツアーを実施する。
 この日は現地で記念式典があり、日本ジオパークネットワーク理事長の古川隆三郎島原市長や地元関係者ら約80人が出席。野口市太郎市長は「五感を使って五島の魅力を知り、市内各所に足を運んでもらいたい。市民と一緒にセンターを成長させていきたい」とあいさつした。同市と九州大大学院が研究の推進などを目的に、連携協定を結んだことが報告された。

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