台湾の台北市にあるJR東日本グループの高級ホテル「ホテルメトロポリタン プレミア台北」のレストランのビュッフェメニューで、5日から2カ月間、茨城県笠間市産の栗を使った「モンブラン」が提供される。市によると、同ホテルから栗ペーストの調達を依頼され、40キロを発送した。「茨城県笠間栗モンブラン」として提供されるという。
市栗ブランド戦略室によると、同ホテル側から3月下旬に笠間産栗のペースト40キロを調達したいと依頼があった。市は市農業公社に話をつないで、同公社から4月14日に真空パック(1キロ入り)で40袋発送、同19日に現地に届いたという。
同ホテルは、JR東が初めて海外進出した高級ホテルで、2021年にオープン。「笠間栗モンブラン」は、「ブリリアント」というホテル内のレストランで、7月4日まで提供される。
市は、昨年8月にも同じホテルに「アフタヌーンティー」に使う素材として、栗ペーストを50キロ送っている。注文を受けるのは今回が、2回目となる。
台湾は、2011年3月の福島第1原発事故以来、福島や茨城など5県の食品輸入を認めない措置を取っていたが、22年2月に緩和された。市はインバウンド(訪日客)誘致を図るため、台湾に現地事務所を構えており、台湾とは交流の下地がある。
県も2月、台湾で「いばらき大見本市」と称した大規模なプロモーションを実施し、茨城の食材をPRした。食材の中には、栗も含まれていたため、市は県のPR活動が、今回の引き合いにつながったとみる。
同市は県内一の栗の生産地で、20年農林業センサスでは栽培面積、経営体数とも全国首位。市は台湾への栗の販路拡大を施策目標に掲げている。
同室は今回の引き合いを足掛かりに、農業公社ばかりでなく、市内の民間事業者からのペースト輸出にもつなげていければ、としている。