金融管理局総裁、資金撤退を否定

香港金融管理局(HKMA)の余偉文・総裁はHKMAのウェブサイトのコラム「匯思」でペッグ制に言及し、銀行間の流動性を示すアグリゲートバランスがゼロになる懸念や、資金流出、香港ドル金利の上昇などの問題に答えた。5月4日付香港各紙によると、HKMAは過去1年に香港ドル買い・米ドル売りの介入を度々行い、アグリゲートバランスが減少し香港ドルからの資金流出を反映していると指摘されている。だが余総裁はこれが香港からの資金撤退を意味するとは限らず、さらにHKMAは外為基金手形と債権の発行量を通じて流動性を調整できることなどから、ペッグ制は香港に適した通貨制度であることが依然として国際的に認めれられていると説明。2008年からの世界の主要中央銀行による金融緩和で香港ドルに流入した資金は1兆ドルに上り、米国の利上げや世界の流動性引き締めに伴って香港ドルから流出するのは正常なことと指摘した。実際に資金が香港ドルから米ドルなど他の通貨に両替されても依然として香港金融システムにとどまっているという。香港の全体的な預金残高は昨年4月末から今年3月末までに約1.4%増となっていることが資金撤退はないことを表していると述べた。

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