足利「マルキヨー」がラムネ製造終了 北関東唯一、45年の歴史に幕

製造を終了したマルキヨーのラムネ

 北関東で唯一ラムネを製造している飲料メーカー「マルキヨー」(足利市島田町)が9日を最後に、看板商品のラムネの製造を終了した。新型コロナウイルスの影響による夏祭りなどのイベント減少を背景に、瓶メーカーがラムネ瓶の製造を終了するのに伴い、確保していた瓶10万本を使い切ったため。1978年に製造を始め、最盛期には年間200万本の売り上げを誇った夏の風物詩が、45年の歴史に幕を下ろした。

 同社は2021年11月末、瓶メーカーからラムネ瓶の製造中止を伝えられた。同時期に瓶の組立工場も閉鎖したため、自社でビー玉を入れる作業なども行っていた。増子敬公(ますこよしひろ)社長(73)は「コロナ禍で終売が早まったのは確か。あと10年は残ると思っていた」という。

 交流サイト(SNS)などで製造終了を公表すると、終売を惜しむ多くの声が寄せられた。ペットボトルなどの容器に替えて販売を続けることも考えたが、環境に配慮し今回の決断に至った。

 最終日の9日は1560本のラムネを充塡(じゅうてん)した。役員の増子春香(ますこはるか)さん(42)は「覚悟はできていたが、生まれた時からあったラムネが無くなり少し寂しい」と話した。在庫は工場に併設の直売所などで販売する。

生産されるマルキョーのラムネ=2021年7月、足利市島田町
ラムネ製造を終了したマルキヨーの増子社長(右)と役員の春香さん

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