「楽しいを耕す」異業種5人のウツノミヤベース 合同会社設立、事業拡大へ

マイベースプロジェクトの畑で野菜を栽培する(左から)西澤さん、服部さん、清水さん、吉澤さん=宇都宮市内

 宇都宮市内の農家やスポーツ選手など異業種5人でつくる農業プロジェクトチーム「UTSUNOMIYA BASE(ウツノミヤベース)」は15日までに、合同会社「Laugh&Co.(ラフ&コー)」(宇都宮市平松本町、服部竜大(はっとりりゅうた)代表社員)を設立した。同チームは昨年3月から野菜の栽培をはじめ、オリジナルグッズの制作や農業体験会などを展開している。法人化を機に新たに6次産業化に取り組むなど、事業拡大を進めていく。

 メンバーは、いずれも宇都宮市在住の農業吉澤康晴(よしざわやすはる)さん(35)、バスケットボールB1宇都宮ブレックスの現役選手渡辺裕規(わたなべひろのり)さん(35)、サッカーJ2栃木SC元選手の西澤代志也(にしざわよしや)さん(35)、元会社員の清水玲音(しみずれお)さん(27)と、PR会社などの社長を務める服部さん(43)。吉澤さんの畑を手伝っていた渡辺さんが発起人となり、友人5人で昨年3月にチームを結成した。

 活動テーマは「楽しいを耕す」。楽しい事業を企画し、農業の魅力を広めることを目指している。初年度の昨年は活動資金をクラウドファンディングで募り、目標額の22倍以上の約670万円を調達。同市下栗町の吉澤さんの畑約20アールで、トウモロコシなど約100種類の野菜を育てた。

 他にも市内の園芸用品店で夏祭りなどのイベントを実施したり、Tシャツなどのグッズを販売したり。農業体験会にはリピーターも生まれ、事業拡大の手応えをつかんだという。

 合同法人は今年3月設立。第1弾として4月、吉澤さんの畑の一角で、3メートル四方の土地を一般に貸し出す「マイベースプロジェクト」を始めた。東京や茨城など県内外から16組が手を挙げ、メンバーのサポートを受けながら16区画で好きな野菜を栽培している。

 同法人は栽培する野菜も増やしていこうと、近くに約55アールの畑を借りた。今後、飲食店と協力し、ピクルスやドレッシングなどの商品化や、畑でのイベント開催を計画している。

 服部代表社員は「5人がそれぞれの持ち味を生かし、この1年間で幅広い活動ができた。これからも農業の楽しさや大変さを伝えていきたい」と話している。

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