G7保健相会合

 最初の患者が中国で報告されたのは2019年の末、日本での“第1号”は翌年の1月16日、それが半年後には200を超える国・地域に広がっていた。「瞬く間に」の形容がピタリとはまる新型コロナウイルス感染症の大流行は、地球が小さな星であることを改めて実感させた▲ところが、その先のウイルスとの向き合い方は国によってバラバラだった。行動規制の在り方や緩和の判断、マスクのルール。「ところ変われば品変わる」とはよく言ったものだ、世界は広い▲衛生観念も医療基盤もまちまちの国々がそれぞれに“共通の敵”と戦った3年間。日本では連休明けの8日に感染症法上の取り扱いが変わり、米国では「公衆衛生上の緊急事態宣言」が11日で終わった▲危機は去りつつあると思ってよいのか、と考えているところだから計ったようなタイミングだ。先進7カ国(G7)保健相会合がきょうから2日間、長崎で開かれる▲小さいようで広いこの世界で、人々の健康や安心のためにG7はどんな役割を果たさねばならないか…語られるべきテーマは多い▲たった一度の国際会議が劇的な変化をもたらすことを望むのは無邪気すぎるのかもしれない。しかし、何かの成果が「ナガサキ」の名前と一緒に刻まれるとしたら、それはこの上なく誇らしい。(智)

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