京都市を私的に旅行している上皇ご夫妻は16日、京都御苑(上京区)で、順延になった葵祭の行列「路頭の儀」を観覧された。宮内庁によると、皇太子時代の45年前に祭礼の衣装などを見学したが、行列の観賞は初という。
ご夫妻は行列が出発する京都御所の建礼門近くの席に隣り合って座った。約50分間、にこやかに言葉を交わしながら優雅な平安装束の巡行者や牛馬に目を細めた。葵祭行列保存会の初代会長だった猪熊兼勝さん(85)の説明にうなずき、斎王代が目の前を通った際には、上皇后美智子さまが拍手を送った。
ご夫妻は1978年5月に学会出席のために京都入りした際、葵祭の前日に京都御所に立ち寄り、舞人などの衣装や牛車(ぎっしゃ)を見学していた。
16日午後に奈良県に移り、17日に中宮寺(斑鳩町)などを訪れた後、18日に帰京する予定。