●ユネスコ見通し、国内10例目
白山市全域をエリアとする白山手取川ジオパークが24日、パリで開かれる国連教育科学文化機関（ユネスコ）の執行委員会で、世界ジオパークに認定される見通しとなった。世界ジオは、学術的に重要な地形や地質を備えた自然公園で、「白山手取川」が認められれば国内10例目となる。市は世界ジオの認定を誘客に生かし、交流人口の拡大につなげる。
世界ジオの審査を担うユネスコの専門評議会は昨年12月、「白山手取川」を世界ジオに認定するようユネスコ執行委員会に勧告した。ユネスコが世界ジオに認定すれば、国内では2018年の伊豆半島（静岡）以来となる。
白山市は20年に世界ジオの認定を目指してユネスコに申請した。現地審査は昨年10月に行われ、外国人審査員2人が白山市内を見て回り、「白山手取川」の自然環境が人々の暮らしや教育に生かされている点をプラスにとらえ、地質的な価値を評価した。
11年に日本版ジオパークに認定された「白山手取川」は、白山に降った雪が水となり、手取川を石とともに流れて日本海に下る「水の旅・石の旅」をテーマとする。百万貫の岩や桑島化石壁のほか、手取峡谷といった約200の見どころで構成される。
ユネスコ執行委員会は日本時間の24日夕から始まり、田村敏和市長ら市幹部が市内で議事進行を見守る。
白山手取川ジオパークを巡っては、北國新聞社が関連事業を支援するため、17～22年度の6年間に「企業版ふるさと納税」を利用して総額6千万円を白山市に寄付した。今年の創刊130年を記念して、手取川の水質や地質の実態、伏流水の利活用などに関する環境総合調査も実施している。
★ジオパーク 地球や大地を表す「ジオ」とパーク（公園）を組み合わせた造語で「大地の公園」と訳される。地質や景観を保護し、その資源を教育や持続可能な発展に活用している地域を指す。国内では洞爺湖有珠山、アポイ岳、糸魚川、伊豆半島、山陰海岸、隠岐、室戸、阿蘇、島原半島の9地域が世界ジオパークの認定を受けている。
