観光分野のDX推進で連携 長崎県五島市とゼンリンが協定 交通、観光事業者の参加を促進

ゼンリンと五島市が観光分野でDX推進について連携協定を結んだ調印式=五島市役所

 地図大手ゼンリン(福岡県北九州市)と長崎県五島市は16日、観光分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する連携協定を結んだ。ゼンリンの観光情報ウェブサイト・スマートフォンアプリ「STLOCAL(ストローカル)」を活用した情報発信や、周遊観光を促す取り組みを通じて地域活性化を目指す。
 ゼンリンは、所有する地図情報や移動情報を生かして地域の課題解決に取り組む「マイクロMaaS(マース)」の一環で、ストローカルを開発。旅の計画の作成や公共交通・観光施設・体験アクティビティーの予約、電子チケットの購入などがアプリ内でできる。五島列島は2月、長崎市と佐世保・西九州に続いて、情報提供のエリアに追加された。
 協定は、同サービスの継続的な運営や新たな周遊ルートの作成、世界文化遺産の構成資産がある奈留島や久賀島など二次離島を結ぶ公共交通機関での電子チケットの推進などを目的に結んだ。
 連携するのは▽周遊プランなど観光コンテンツの企画・整備、情報発信▽電子決済への対応など観光消費拡大への貢献▽二次離島へのアクセスの利便性向上▽災害時の情報連携▽取得データの活用-の5項目。五島市内の公共交通をはじめ観光関連事業者の参加を促進し、充実を図る。
 調印式で、ゼンリン執行役員の松山稔ビジネス企画室長は「離島の観光型マースのモデルを、この協定を足がかりにつくって地域に貢献したい」とあいさつ。野口市太郎市長は「交流人口の拡大を図る上で大きなツールになる」と述べた。

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