「島守の塔」で助演女優賞 吉岡里帆さん「大切な映画」 都内で批評家大賞授賞式

トロフィーを受け取る吉岡さん(左)=16日夜、東京都千代田区

 第32回日本映画批評家大賞の授賞式が16日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで行われ、太平洋戦争末期の沖縄県警察部長荒井退造(あらいたいぞう)(宇都宮市出身)らを描いた作品「島守の塔」に出演した吉岡里帆(よしおかりほ)さんが助演女優賞の表彰を受けた。

 同作品は栃木県では昨年8月から約2カ月半にわたり公開された。吉岡さんは戦時下の沖縄県知事島田叡(しまだあきら)に仕える県職員役を演じた。

 トロフィーを受け取った吉岡さんは「名誉ある賞を頂き大変うれしい。平和な国である日本をこれからも、新しい世代として守っていかなければいけない。その気持ちが込められた大切な映画だった」とスピーチした。

 新型コロナウイルス禍で撮影が中断したことにも触れ「共演者、監督、スタッフと、絶対に完成させようという強い意志と絆で結ばれていた。見てくれた人の口コミや、今の情勢に対する思いを持っている方の共鳴の気持ちに支えられた」と語った。

 同大賞は映画評論家の故水野晴郎(みずのはるお)氏が発起人となり、1991年に創設。現役の映画批評家のみで選考を行っている。授賞式では、作品賞の「メタモルフォーゼの縁側」(狩山俊輔(かりやましゅんすけ)監督)なども表彰を受けた。

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