「性的少数者」記載も基準に 酒田光陵高有志が署名活動

多様性を認め合う社会づくりを目指して署名活動を行う酒田光陵高の生徒=酒田市・同校

 LGBTQ+などの性的少数者への理解促進を目指し、酒田光陵高(藤田雅彦校長)のビジネス流通科3年生有志は16日、酒田市の同校で、市内小中学校の教科書選定基準に「性的マイノリティに関する記載があること」を加えるよう市教育委員会に求める署名活動を行った。

 同校の生徒有志は昨年度、課題研究の一環で同性カップルを対象とした結婚式プランを考案した。活動を引き継いだ現在の3年生が、教育の場でも性的少数者への差別をなくそうと、署名活動を発案した。市教委によると、教科書の選定は4年に1度行っており、2019年度の小学校、20年度の中学校の選定時にはこの基準は設けていなかったという。

 この日は、登下校の時間に昇降口前で署名を呼びかけた。活動の中心メンバーの3年小松花音(かのん)さん(17)は「悩んでいる人がいることを子どもたちにも知ってもらい、無意識な差別をなくしていきたい」と語った。署名に協力した1年千田遥太(はるた)さん(15)は「誰もが不自由や違和感を抱かず暮らせる社会になるといい」と話していた。生徒たちは2千筆を目標に、市内の他校へも協力を求める。集まった署名は市教委に届ける。

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