常陽銀と茨城大 AI使い株売買判断 共同研究の中間報告会

常陽銀行と茨城大の学生が参加した共同研究の中間発表会=つくば市吾妻

株を売買するタイミングの判断に人工知能(AI)を応用したソフトの開発で連携して取り組む、常陽銀行(水戸市)と茨城大(同)は17日、茨城県つくば市吾妻の常陽つくばビルで共同研究の中間報告会を開いた。同大の学生が開発途中のソフトの内容を報告し、同行側が改善点などのアドバイスを行った。本年度内のソフト実用化を見込んでいる。

ソフトでは、株の売買条件についての膨大な数の選択肢の中から、AIが「お勧め」を絞り込む。実用化されると、人が株を売買するタイミングを判断する際の指標になり、収益向上や運用リスクを減らすことなどに役立つ。

共同研究は、有価証券運用力の高度化を目的に、同行市場金融部と、機械学習・金融工学を専門とする同大大学院理工学研究科が手を組み、2022年1月にスタート。同行側が過去の相場や経験を基にした研究仮説・取引アイデアを提供し、同大側が分析する。

結果を月1回のミーティングで同大側が発表し、ソフトの改善を繰り返している。同行側はデータ分析に長けた理系の人材とのつながりをつくることができ、同大側は現場のニーズを直接聞いて研究ができる利点がある。

中間報告を行った同大大学院機械システム工学専攻1年の沢畑英介さん(22)は「金融の専門家のアドバイスをもらうことができ、知見が深まっている。共同研究ならではの貴重な体験ができている」と成果をアピールした。

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