地球に優しい古着やアイドル衣装で堂々 ランウエー歩く関学大生、「真っ白な画用紙」に個性表現

服装で自身を表現する出演者=関西学院大・関西学院会館

 学生が思い思いの服を着てランウエーを歩くショーが16日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市上ケ原一番町)であった。地球環境を考えて古着を好むという男子学生や、アイドルのダンスをまねするサークル活動に励んできた女子学生ら6人の出演者が服装で自分らしさを表現した。(吉田敦史)

 性的少数者(LGBTQなど)を取り巻く課題を知り理解を深めようと、関学大が学生と協力して企画する「関学レインボーウィーク」(15~19日)の一環。

 初めての開催となるショーの理念は「真っ白な画用紙」。性的少数者に限らず全ての人が、画用紙に自由に絵を描くように個性や思いを表現し、それが受け入れられる空間を目指した。

 社会学部3年大沢映介さん(21)=西宮市=は「サステナブル(持続可能)」をテーマに、古着のシャツとデニムパンツに亡き祖父のジャケットを羽織って登場。「はやり廃りのある服を毎年新たに買うのは罪悪感がある。古着は環境に優しく安価で、個性を表現できる」と考えを述べた。

 15年間続けたピアノの最後の演奏会で着た緑のドレスを披露したのは人間福祉学部4年の小松芽依さん(21)=同県伊丹市。「練習がつらくやめたかったが、実際にやめると心に大きな穴があき、ピアノが大きな存在だったと気付いた」といい、思い出を胸に社会に羽ばたく決意を語った。

 アイドルダンスコピー(模倣)サークルに所属する社会学部4年田中乃愛(のあ)さん(21)=西宮市=は祖母と自作した衣装で軽快に踊った。昨年、大会の決勝用に準備したが敗退して日の目を見なかったといい、発表できた喜びをにじませた。

 企画の代表を務めた人間福祉学部4年上福元陽(ひなた)さん(22)は「気持ちを目に見える形で表すのはすごく難しい。それを成し遂げた出演者に感謝します」と締めくくった。

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