長崎県コロナ感染率25.8% 長崎大・泉川教授がコロナ禍3年間を総括 九州・沖縄で最も低い

 長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は17日、新型コロナウイルス感染症の約3年間の状況について会見で総括し、九州・沖縄8県の人口に対する感染率について長崎県は最も低い25.8%だったと公表した。最も高かったのは沖縄県の39.5%。
 全数把握が終了した5月7日(8日公表)までのデータを基に算出。感染者数に対する死者数の割合(死亡率)は8県中、沖縄県が0.17%で最低。長崎県は佐賀県と同じ0.19%で2番目に低く、全国平均(0.22%)も下回ったという。県の対策調整本部メンバーとして県全体の感染対策にも関わってきた泉川教授は「少しは評価されてもいいのかなと思った」と述べた。
 一方で患者の治療に当たってきた医師として国産のワクチンや治療薬の開発が遅れ、海外産に頼らざるを得なかった状況を「日本は感染症に対して国防という視点が足りなかったのかな」と指摘した。
 このほか学内では教職員と学生計4237人が感染し、クラスター(感染者集団)は14件だったことも明らかにした。新型コロナは8日から法律上の取り扱いが「5類」に移行。泉川教授は「今後ぶり返してくることはあると思う」とし、再拡大への警戒と懸念にも言及した。

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