兵庫県但馬地域の氷ノ山周辺で、国の天然記念物で絶滅の恐れのあるニホンイヌワシのひなが誕生し、成育しているのが確認された。断崖絶壁の岩場にあるこの巣での確認は3年ぶり。
日本イヌワシ研究会員と兵庫県などの調査チームが発見した。周辺では3月下旬、餌となる野ウサギを運ぶオスが確認されていた。
ひなは、白と黒の羽が交じった姿をしており、生後55日程度とみられる。順調に成育すれば、6月上旬以降に巣立ちを迎えるという。
兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科の布野隆之准教授(46)は「無事に巣立ってほしいが、餌不足で成長の遅れもあり得る。生息地の改善が急がれる」と話した。この巣では3年前、16年ぶりにひなが確認されたが、巣立ち後に死んだとみられている。(風斗雅博、山崎 竜)