版画・彫刻家鈴木賢二の作品展始まる 母校でトークショー、先進性語る 栃木

約130点の作品や資料が並ぶ鈴木賢二の作品展

 【栃木】市出身の版画家・彫刻家鈴木賢二(すずきけんじ)(1906~87年)の作品展が20日、万町の蔵の街市民ギャラリーで始まった。母校栃木高では、鈴木作品とコラボレーションした若者に人気のアパレルブランド「サスクワッチファブリックス」のデザイナー横山大介(よこやまだいすけ)さんらがトークショーを行った。

 鈴木の四女星野解子(ほしのときこ)さん(77)らによる「鈴木賢二展 VALUE The 賢二2023を創る会」が主催した。民衆や子ども、平和といった鈴木が大切にした六つのテーマごとに木版画や彫刻、資料などを約130点展示した。

 副題は「額から跳(と)び出たケンジさん」。制作当時の作品としてだけでなく、現在見直されている価値を伝えようと、昨年コラボした横山さんの服なども並べた。

 栃木高講堂では、オープニングの式典とトークショーが行われた。横山さんは新型コロナウイルス禍で閉塞(へいそく)感を覚えていた時、「(鈴木作品の)強いまなざしで明日を見つめる人を見て、自分の作品に使いたいと思った」と振り返った。

 鈴木作品には「時代に対しどうあるべきかを示唆するという意味で前衛性を感じた」と語った。他の登壇者も、次の年代の劇画につながる画風や制作手法などから、現代に通じる先進性を指摘した。作品展は6月11日まで。

鈴木の母校栃木高でトークショーを行う横山さん(左から2人目)ら

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