ちくさ湿原の地表を覆う40万株、紅紫色鮮やかに 県の絶滅危惧種クリンソウ見頃 兵庫・宍粟

気品ある紅紫色の花を咲かせるクリンソウ=ちくさ湿原

 兵庫県の絶滅危惧種に指定されているクリンソウが、群生地で知られる「ちくさ湿原」(同県宍粟市千種町西河内)で見頃を迎えた。地表を覆う紅紫色の花が木々の隙間から差す陽光に当たって上品さを醸し出しており、5月末ごろまで楽しめる。

 クリンソウはサクラソウ科の多年草で、山間部の湿地に自生する日本原産種。下から上に開花する姿が、寺院の屋根にある装飾の九輪(くりん)に似ているため、名前が付いたという。県のレッドデータブックでは絶滅の危険が増している「Bランク」に格付けされている。

 ちくさ湿原では、2012年から、地元住民でつくる「クリンソウを守る会」が遊歩道を整備するなど保全活動に力を注いでいる。約15ヘクタールに大小7カ所の群生地があり、約40万株が咲き誇る。茎先をぐるりと囲むように花が開き、湿原を流れる小川のせせらぎが愛らしさを演出している。

 同湿原は入場無料。ちくさええとこセンターTEL0790.71.0230(平日午前9時~午後3時) (村上晃宏)

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