森林に生息し「森のホタル」と呼ばれるヒメボタルが、兵庫県尼崎市東部の猪名川や藻川河川敷で飛び交い、かれんな光を瞬かせている。
ヒメボタルは体長6~10ミリ。幼虫は湿り気のある場所を好み、一生を陸地で過ごす。昔は尼崎でも川沿いや寺社の林で多く見られたが、都市化で激減した。
同市で保全に取り組む「自然と文化の森協会」(佐藤亮会長)によると、猪名川では十数年前まで星空のように瞬く様子が観察されたが、洪水対策で河川敷の木が伐採されるなどして減少したという。川を管理する国は生息地付近の切り株を残すなどし、同協会メンバーが木の枝の剪定など地道な活動を続けている。
見に訪れた同市の女児(5)は「キラキラしてかわいかった」。父親(42)は「尼崎でホタルが見られるとは」と喜んだ。同協会によると、見頃は今月いっぱいという。(広畑千春)