新しい名物に いちごミルクあんみつ発売 老舗の若手経営者がコラボ 日光

老舗3社が発売した「日光いちごミルクあんみつ」

 【日光】今市地域の老舗3社の若手経営者がコラボして開発した「日光いちごミルクあんみつ」がこの春、発売された。企画を立ち上げてから10年で実現した初の市販商品だ。決して規模の大きくない3社がそれぞれの特徴、技術を持ち寄って作り上げたこの和スイーツ。早くも好評で、若手経営者らは「日光の新しい名物に」と夢を膨らませている。

 新商品を発売したのは、こんにゃくや寒天などを製造販売する「北野谷商店」(土沢)の北野谷佳孝(きたのやよしたか)さん(43)、「池田種苗店」(今市)の池田剛士(いけだたけし)さん(40)、「黒須製餡(あん)所」(吉沢)の黒須崇浩(くろすたかひろ)さん(40)の3人。

 3社はいずれも明治から昭和20年代創業の老舗で、北野谷さんと池田さんは5代目、黒須さんは3代目だ。

 異業種の3人は2013年に「日光甘味(かんみ)プロジェクト」を企画し、これまでも商品を考案。イベントなどで提供してきた。昨年7月、市に相談したところ協力が得られ、念願の市販にこぎつけた。

 老舗らしく「先代から受け継いだ技術を集約した」と北野谷さん。とちおとめを育てる池田さんの農園、「いちご餡」を作る黒須さんの製餡所はいずれも日光の水を使用。寒天は国産天草だけを使い、昔ながらの開放蒸気釜で北野谷さんが手間暇かけた。「爽やかでみずみずしく、果実感を大切にしたのが特徴」という。

 北野谷さんは「人口が減り労働力も不足している中、小さな企業1社ではできないことがある。持続させるために協力し合うのは必然でもあり、その土壌になれば」と話す。

 今市の道の駅「日光街道ニコニコ本陣」や県内高速道路のサービスエリア、道の駅、北野谷商店のオンラインストアなどで販売。1個450円(税別)。大型連休前に販売を始めたところ、既に800個以上が売れたという。

「日光いちごミルクあんみつ」を開発、発売した(左から)池田さん、北野谷さん、黒須さん

© 株式会社下野新聞社