【独自】「虐待」と誤認、乳児を1年3カ月一時保護 明石市、両親らに慰謝料など130万円支払う

明石市役所=明石市中崎1

 兵庫県明石市で虐待が疑われた生後2カ月の乳児が1年3カ月にわたり児童相談所に一時保護された問題で、同市が両親らに慰謝料などとして130万円を支払っていたことが分かった。

 乳児は2018年8月、腕の骨折が判明。兵庫県中央こども家庭センター(児童相談所)が親による虐待を疑い、一時保護した。児相側は同年10月、乳児の施設入所を求める審判を神戸家裁明石支部に申し立てたが、19年8月に却下された。児相側の大阪高裁への即時抗告が棄却された同年11月まで一時保護は続いた。

 一時保護や審判の申し立ては県が行ったが、19年4月に明石市が明石こどもセンター(児童相談所)を開設して以降、市が事案を引き継ぎ、即時抗告は市が行った。

 当時の泉房穂市長は20年10月、虐待はなかったと認め「家族で過ごす時間を奪ってしまい申し訳なかった」と謝罪。同市は21年4月、事例ごとに一時保護が妥当かどうかをチェックする第三者委員会を設置した。

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