準絶滅危惧種のミサゴ、送電鉄塔に営巣 高さ50m、ひな鳥もひょっこり 姫路

鉄塔の上で営巣するミサゴ。ひな鳥の姿も確認できる=姫路市内

 環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されているミサゴが、兵庫県姫路市東部の送電鉄塔で営巣している。高所にある巣の中で待つひな鳥に、親鳥が頻繁に餌を運ぶ姿が見られた。

 タカの仲間で、雌の成鳥は体長約60センチ。兵庫ミサゴ研究会(同市)によると、大きな松の木や沖合の小島で巣作りする習性だが、松枯れや繁殖地の開発などの影響で営巣地が減り、近年は鉄塔の上で巣を作るケースが増えているという。

 同市東部では、関西電力送配電の姫路電力所が昨年6月、高さ約50メートルの鉄塔の塔頂部に木の枝などで作られた巣を確認。送電に影響がないため、撤去していないという。

 同研究会の代表世話人、三谷康則さん(74)は「人工物を利用して営巣するなど、人間と共生できている面もある」と話した。(辰巳直之)

© 株式会社神戸新聞社