神戸市が銭湯の新規参入解禁 銭湯数はピーク時の2割、低料金の入浴環境促進へ 要綱まとめ7月にも

神戸市役所=神戸市中央区

 神戸市は、これまで規制してきた銭湯(一般公衆浴場)の新規参入を容認する。自家風呂の普及に伴い2006年度以降は許可していなかったが、市民が低料金で入浴できる環境を広げようと門戸を開く。施設の面積や構造など必要な要綱を取り決め、7月にも参入の申請受け付けを再開する。(金 旻革)

 入浴料金が統制されている銭湯(スーパー銭湯を除く)は市内に34施設。料金は都道府県ごとに上限額が定められ、兵庫県内では現在、大人(12歳以上)490円~6歳未満80円に設定されている。

 銭湯以外に入浴の手段がない住民の健康維持を目的とした措置だが、市内の自家風呂の普及率は06年までに98%に。銭湯開業の許認可権を持つ市は、04年7月の事業許可を最後に新規参入を停止してきた。

 ただ、ピーク時の2割程度まで市内の銭湯数は減少している状況などを踏まえ「低廉な価格で入浴しやすい環境の促進が必要」(環境衛生課)と判断した。加えて、参入の検討を促すため許可の要綱を制定する。素案では浴場の全体面積を550平方メートル未満▽浴室やサウナ室、脱衣所など施設の総面積は全体の2分1以上▽主な浴室は通常料金で利用できること-などとまとめた。6月21日までパブリックコメント(意見公募)を行い、市は7月上旬に要綱を取り決めて参入の申請受け付けを始める予定。

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