東京・亀戸のむつ下北アンテナショップ、6月末で閉店 店主・河野さん「志達成できた」

東京都江東区の亀戸香取勝運商店街にある「交流ショップむつ下北」(むつ市提供、2016年撮影)
山本市長(右)から感謝状を贈られた河野さん=23日、むつ市役所

 東京都江東区の亀戸香取勝運(かちうん)商店街で、むつ下北地域を中心に青森県内各地の名産品を販売し、情報を発信してきたアンテナショップ「交流ショップむつ下北」が、6月末で店を閉じることになった。開店から12年にわたって下北の魅力を伝えた店主の河野崇章さん(68)=むつ市出身=が23日、むつ市役所を訪れ、「地域住民と県内出身者の交流の場となることを心がけてきた。志は達成できた」と思いを語った。

 都内の広告代理店を51歳で退職した河野さん。両親の介護のため、東京と同市を行き来する中で古里の疲弊を実感し、「下北のために恩返ししたい」と2011年3月に交流ショップをオープンした。

 店内には下北半島の大きな地図や下北をPRするポスターなどを飾り、加工品やワイン、地酒など名産品を並べた。「ものを売るだけでない、交流の拠点」と位置付け、飲食スペースも設けた。来年70歳を迎えるのを機に、閉店を決めたという。

 河野さんは23日、市の認知度向上に貢献した-として、山本知也市長から感謝状を贈られた。取材に対し「商店街の人たちから『やめないで』と言われ、非常に心苦しいというのが本心」とこぼした。店を継ぐ意欲を示している人がおり、再開を目指して話し合っている-とし、「来た人が『心地よい』と言ってくれる店を残せるよう、これまで構築した人脈やネットワークが生かせたら」と語った。

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