JR芦屋駅南地区再開発、高島市長が特定建築者の公募中止「再開発ビルの内容など見直す」

JR芦屋駅南地区の再開発事業の計画見直しについて会見で話す芦屋市の高島崚輔市長=芦屋市精道町、芦屋市役所

 兵庫県芦屋市の高島崚輔市長(26)は24日に会見し、JR芦屋駅南地区の再開発事業について、市が4月上旬から進めていた、工事を担う民間の特定建築者の公募を中止したと発表した。4月下旬の市長選の公約に事業計画の見直しを掲げていた。新たな要綱をつくり再募集する。前市長時代までに決まった再開発ビルの建設や地権者との契約は変更せず、2028年度の完成予定や事業費も「大きく変わらないよう進めたい」とした。

 見直しの方向性については「芦屋の玄関口にふさわしく、魅力を高める再開発事業にする」と強調。五つの原則として、花と緑あふれる街並み▽新たな出会いを生み出す仕掛け▽思わず歩きたくなる空間▽未来の市民に贈る進化の余地▽地権者の生活を守る-を掲げた。市ホームページで市民から意見募集も始めた。

 ビル内に図書館を、駅前に芝生広場を設ける考えも示した。地権者が所有する住宅や店舗以外の部分の配置などを見直すことで、事業スケジュールの遅れや事業費の増大を防ぐとした。

 再開発は、駅前に歩道やバスロータリーなどを整備して交通の安全性を確保し、住居や公共施設が入るビルを建設するとして17年に都市計画決定、18年に事業計画決定された。しかし20年3月、地価上昇などによる事業費の増大から市議会で予算案が否決され、22年3月にようやく可決された。(村上貴浩、広畑千春)

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