農福連携推進へ新ブランド 八幡平で在来種ニンニク栽培、加工

「カエルオーガニック」のロゴがあしらわれた八幡平バイオレットの黒ニンニク

 八幡平市田頭の一般社団法人すばる(高橋和人代表理事)は今月、「農福連携」を推進する新たなプロジェクトを始動した。職員や障害者、高齢者が協力し、有機農業にこだわった在来種ニンニクを栽培。有機野菜の新ブランドも立ち上げ、食と命の大切さを伝えるきっかけづくりにもつなげる。

 すばるは、共生型グループホームなどを運営する同市のNPO法人の農業部門として2015年に設立。プロジェクトは施設職員、入所する障害者や高齢者らが協力して野菜の栽培や加工、販売の取り組みを進め、担い手不足の解消や仕事の創出など農業と福祉双方の課題解決を目指す。

 岩手県唯一の在来種ニンニク「八幡平バイオレット」の有機JAS認証を今月取得。所有する約80アールの畑でニンニクを栽培、収穫し、黒ニンニクなどに加工して販売。ネギやオクラなどの有機野菜も育て、新ブランド「カエルオーガニック」として売り出す。

 商品に施すカエルのロゴには「変える(新しい農業)」、「返る(食生活)」、「還(かえ)る(命)」の意味を込め、農福連携を通じて人の健康や命と、食の関係性を伝える。

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