沖縄の歴史・文化を色濃く反映 本土復帰前の「琉球郵便」切手182枚展示 兵庫・三木で31日まで

本土復帰前に発行された沖縄切手の展示=三木市高齢者大学

 本土復帰前の沖縄で発行された「沖縄切手」が、兵庫県三木市細川町瑞穂の市高齢者大学で展示されている。平和や人権について考えてもらおうと企画され、沖縄の民俗舞踊や歴史的な出来事がデザインされた182枚が並ぶ。31日まで。

 沖縄は1972年に本土復帰を果たすまで、終戦から27年間、米国の統治下に置かれていた。切手は当時の琉球政府が発行。日本郵便ではなく「琉球郵便」と記され、金額の表記も当時の通貨だった軍票の「B円」や米国のセントが使われているのが時代を感じさせる。

 一方、デザインは民俗舞踊に空手、ジュゴンと沖縄ならではの味わい。日米の国旗を描いた、沖縄返還協定批准の記念切手もある。

 展示を準備したのは、沖縄切手を収集する田中孝史さん(77)=兵庫県姫路市。72年4月、兵庫と沖縄の交流事業で、返還直前の沖縄を訪問した。まだパスポートが必要な時代。米軍機のごう音に平和を考えさせられたという。

 記念に現地で切手を購入して以来、通販も含めて計約200種を集めた。本土復帰から51年が過ぎ「米国に統治されていた琉球政府の存在や苦しい時代に思いをはせてほしい」と語る。

 午前8時半~午後5時。日、月曜休み。無料。高齢者大学TEL0794.88.2550 (小野萌海)

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