長崎・南山手の洋館を高級ホテルに 森トラストが計画発表 24年冬開業目指す

ホテルインディゴ長崎グラバーストリートの外観イメージ(森トラスト提供)

 不動産開発大手の森トラスト(東京)は24日、長崎県長崎市南山手町の築125年の洋館を高級ホテルに改装する計画の概要を発表した。英インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)のブランド「ホテルインディゴ」を誘致し、2024年冬の開業を目指す。
 洋館は児童養護施設マリア園の旧本館。フランス人修道士の設計で1898年に建設され、赤れんが造りやアーチ状の窓が特長の歴史的建造物。同養護施設の移転に伴い、森トラストが2017年、外観を生かしながら外国人富裕層をターゲットとするホテルに改装する計画を発表した。同社が九州でホテル事業を展開するのは初めて。
 IHGは世界100カ国以上で18ブランドのホテルを展開。ホテルインディゴは、その土地ならではの歴史、文化をデザインやサービスに生かすことをコンセプトとするブランドで、国内では長崎が5例目、九州には初進出となる。
 名称は「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」。客室約70室の他、ダイニング施設、フィットネスジムを設ける。外国人居留地として栄え、旧グラバー住宅や大浦天主堂などの歴史的建造物を擁するエリアで開業すること踏まえ、「ブランドのコンセプトと合致する」としてIHGを協業先に選んだ。
 都内で会見した森トラストの伊達美和子社長は、異文化交流で独自に発展した長崎の「和華蘭文化」を内装やサービスに反映すると説明。「ゲストが周囲を『さるく』ことで長崎の歴史を楽しみ、時空を旅するような体験を提供したい」と意欲を語った。

客室イメージ(森トラスト提供)

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